碧い兎（with Black Cat)
掌で撫でれば、温かな身体を寄せて来る。
主張する声を持たない碧い瞳の私の兎。
抱きしめると、抱きしめ返してくる力のか弱さが愛おしい。
頸元に顔を寄せ、仄かな匂いを堪能する。
指先でラインを辿ると、背中がしなやかな弧を描く。
溢れ、零れる吐息に、胸が締め付けられる。
形の整った細い眉を切なげに寄せて、
閉じた瞼を飾る長い睫をふるふると震わせる。
早くなる兎の鼓動。
時に、薄く目を開けて、
何かを確かめるように私を見つめてくる。
短く、長く、声が上がり、強く縋りついてくる。
仰け反る喉の白さが艶かしい。
不意に力が失われ、乱れた呼吸で横たわる。
熱の余韻で上気したままの頬を、
唇で軽く啄ばむ。
この、身体中に染み渡る満足感。
なんて甘いのだろう。
手段としての悦楽では、決して得る事の出来ない感覚に、
くらくらと眩暈がするようだ。
求めて已まない魂ごと、その心ごと、
この腕に囲うからこそ、
これ程の激しい感覚を感じるのだと、
初めて知らせてくれたのは、この小さな兎。
主張する声の無い替わりに、
その他のすべてで伝えてくる。
この碧い隻眼が映すのは、
私の赤い双眸だけでいい。
私は、溺れていると伝える為に、喉を鳴らしてみようか。
どんな言葉も、
この想いを言い尽くすには、物足りないから。
それでも足りないなら、
またこうして、その肌に沁み込ませていく。
END
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あとがき
冬イベント企画『Happy Winter』に参加してくださったたままはなま様から
素敵な年賀状を頂いちゃいました…！新年早々、とても嬉しかったですッ！！
もう素敵ですよねッ！音の無い濃厚な時間な感じです！文字だからなせる業！
シエルの台詞はないのに、どんな表情でどんな仕草で、または声でセバスを煽っているのか見えてきますｗｗ
新年から萌えパワーをたっぷり頂いちゃったです＞＜☆
たままはなま様、素敵な年賀状を本当にありがとうございました！！！
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