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【2017/09/25 02:32 】 |
treasure 
(R15) 

大切なものがあると、人はそれを守ろうとする。
しかし大切なものがあると、人は盲目になる。

守りたいものを、守れるかの不安。
守りたいものが、守れない悔しさ。

それは、悪魔も同じなんだな。


― Treasure ―

暖かい日差しが世界を照らす午後。
小鳥はさえずり、庭には白い薔薇が美麗に咲いている。
そんな平和な景色の中、なぜかカーテンが閉じられている部屋が1つある。
その部屋は、この家の当主。
シエル・ファントムハイヴの部屋だ。


「んっ・・・ぷはぁっ・・・!」
「坊ちゃん、相変わらずキスがお下手ですね」

カーテンを閉め切った部屋に、黒い執事と少年の姿。
黒い執事は当主の机に腰をかけて膝の上に少年を乗せ、クスリと微笑む。
口元は意地悪く弧を描いているのだが、その目は酷く優しい。

「うるさい!」

膝の上で抱きかかえられている少年こと、当主のシエル・ファントムハイヴは、
黒い執事・・・セバスチャン・ミカエリスの胸を思い切りたたく。

「それに!こんなことが上手になったって、どうしようもないだろう!」
「また、どうしてそう色気のないことを言いますかね」

セバスチャンは苦笑しながら、胸をたたくシエルを力強く抱きしめ、動きを取れなくさせる。
シエルは離せと文句を言いながら暴れるが、やはりびくともしない。
これは相手が悪魔だからなのか、自分が子供だからなのか・・・。

「たまには、雰囲気に流されてくださってもいいじゃないですか」

耳元でそっと囁く。
耳に直接注ぎ込まれる声と息に、シエルは背筋が震えてしまう。
一瞬、甘い吐息が漏れそうになるのを必死に我慢し、何事も感じていないように振舞う。

「何が雰囲気だ。ただお前が僕の仕事の邪魔をし始めただけだろう」
「邪魔してなどいませんよ。ひと時も休まず仕事をなさる主人に、休息していただいているだけです」
「休息をさせるつもりなら、ケーキを持って来い」
「まぁ、それも考えたのですが・・・」

セバスチャンは少し体を離し、シエルをじっと見つめる。
その視線が何だか恥ずかしくてシエルは逃げるように体を動かすが、抱きしめられている状態なので
手が自由に動かすことも出来ない。
なのでせめてもの抵抗として、顔だけは必死に逸らす。
が。
チュっと、頬に柔らかい感触。

「なっ!!」

顔を逸らしたことによって、セバスチャンの正面にはシエルの頬がくる。
そこにキスをされたらしい。

「セバスチャンっ!」
「もっと甘いものを召し上がって頂こうかと思いまして」
ケーキよりも甘い・・・ね。

また頬に柔らかい感触。
しかし次には濡れた感触が。

「っ!!」
コイツ!!

舌で舐められていると理解しても、口を開けたら絶対に文句意外の音まで発してしまいそうで、
開けることが出来ない。
何もを言わないのを言いことに、セバスチャンの舌は上へ上へと進んでいく。
舐められた部分が空気に触れて冷たく感じられ、舐められているのだということを、より強く認識させる。
くそ!こんなされるがままだなんて!
シエルは何か突破策を考えるが、うまく頭が回らない。
そのまま上へと進んだセバスチャンの舌は耳に、くちゅりと音を立てて差し込まれる。

「ふぁ・・・」

ゾクリとした感覚に、ついに声を上げてしまう。
はっとして急いで口を結ぼうとするが、一度声が出てしまうと止めることは出来なくて。

「ん・・・や・・・待て・・・」

くちゅくちゅと響く水の音。
ゾクゾクする感覚が止まらない。

「坊ちゃんはお耳が弱いですね」

うっとりするような声音で呟くセバスチャン。
シエルを抱きしめていた腕を緩め、いやらしく手を背中から腰元まで降ろしていく。

「他は、どこが弱いのですか?」

もう片方の手では、ふくらはぎから太ももにかけて、撫で上げていく。

「セバ・・・っ!触るな・・・んっ」

いやらしく触られる感触に、シエルは眉間に皴を寄せながら耐える。

「私にだけ教えてください。坊ちゃん」
「セバスチャ―――んんっ」

最初とは違い、荒々しく唇を塞がれる。
顔を逸らしていても少し首を伸ばせば、どうやら唇を塞ぐことは可能だったらしい。
では、頬を舐めたのはワザとだったのだろう。
いつもなら、そのことに気が付くシエルだが、今はセバスチャンの唇と舌を受け止めるので手一杯で
そんなことは考えている余裕もなかった。

「んぅ・・・ふぁ・・ン、ぷはっ・・!」
「坊ちゃん。私だけの、坊ちゃん」

唇を離すと額と額をコツリと合わせ、先ほどとは違い、まるで遊ぶように
シエルの唇を啄ばんでは離す、啄ばんでは離すを繰り返す。

「貴方は私だけのものですよ・・・」

そっと囁くセバスチャン。

その声はなぜかとても不安そうで。
胸がぎゅっと締め付けられる。


たしか。
この部屋に来た時もそうだった。
平和すぎる、緩やかな午後。
暖かい日差しを浴びながら僕は仕事をしていた。
そして持ってくるよう頼んだ書類を手にして、セバスチャンは僕の部屋に来た。
いつものように。
そう、そこまではいつものように。
しかし奴は僕の顔を見た瞬間、目を少し開き、表情を硬くしたのだ。

この囁く声と同じように、不安げに。

その顔を見た僕は、どうしたのかと声を掛けたら、いきなりこちらに来るとカーテンを閉めて僕を膝に抱え上げた。
そして後はこの状態だ。

いったいコイツは僕の何を見たのだろう。
それとも、もっと別な何かなのだろうか。

ただ分かるのは。


「セバスチャン」

僕は唇が離れた瞬間を狙って声を掛ける。

「はい」

少しだけ唇を離した状態で止まったセバスチャン。
見つめ合う瞳には、お互いの瞳が映っている。

「何か不安か」
「・・・どうしてです?」
「自分の顔に聞いてみろ」
「・・・」

シエルの言葉に少しだけムッとした表情をする。
その顔にクスリと笑い。

「大丈夫だ」

ほんの一瞬だけ。

「僕はここにいる」

シエルはそっと自分からセバスチャンの唇を優しく啄ばむ。

セバスチャンは驚いた顔をした後、嬉しそうに微笑み、

「イエス・マイロード・・・」

優しくシエルの唇を啄ばみ返した。




END



******
あとがき
最初にイメージしていたのは『セバスチャンに振り回される坊ちゃん』だったのですが、なぜか書き進めて行くうちに
『セバスチャンの不安を感じ取り、安心させてあげたいと思った坊ちゃん』に変わりました。
なので、最後まで書いた後にタイトルの前の文章もかなり変更しました。うーん、なぜこんなことに…。
結局のところ、私が書くセバスチャンはシエルに勝てないということなのか??
そして、このお話はR15の表記で大丈夫なのでしょうか?
多い・少ない・丁度良い・・・悩みどころです。

 

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【2011/03/23 20:15 】 | Text | 有り難いご意見(0) | トラックバック(0)
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