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【2017/09/25 02:33 】 |
Solitary
シエル視点(切ない)

深い深い闇。
深淵に堕ちていく感覚。

それは、たいそう不快で。
しかし、たいそう心地よくて。

無意識に手を伸ばす。
その先に見えるものは。

黒い黒い、漆黒の羽。


― Solitary -


「~っ!」

真夜中の時間。
シエルはベッドで飛び起きる。

心臓は、まるで壊れたように早く鼓動を打ち鳴らし
呼吸は、まるで走っていたかのように乱れている。

「…はぁ…はぁ」

シエルは辺りを見回しながら、額を伝う汗を手で拭う。
視界に映るのは、いつもと変わらぬ自分の部屋。
悪魔と契約して手に入れた、絶対的不可侵の領域。

今自分がいるところを理解し、シエルは安堵のため息をつく。


悪夢でうなされ飛び起きるのは、一体何度目だろうか。
相変わらず定期的に見ているような気がする。
まるで日本の言葉にある『臥薪嘗胆』だな。
シエルは苦笑する。

僕はまだアレに怯えているのか。

シエルは呼吸の乱れが収まっても、まだ止まらない汗を拭いながらベッドから降りる。
こうやって立ち上がると、足までも震えていることが分かるが、シエルはあえてそれを無視する。
そして窓へとその足で向かい、静かにカーテンを引く。
窓の向こうには、白い月が冷ややかに輝いていた。
その氷のような輝きは、なぜだかシエルを穏やかにさせる。

「アイツの瞳に似ているからかもしれんな…」

シエルは契約の印を刻まれている方の瞳を、まぶたの上からそっと触れる。

静かな夜の中、ひっそりと存在する月。
闇と共にありながら、決してその輝きを失うことはない。
その冷ややかな光は淡く地上を照らしていく。

なぜかその姿が、契約中の悪魔・・・セバスチャンに酷く似ているような気がした。

アイツはいつだって、僕の後ろに立つ。
命令1つで絶対的な力を発動させ、しかし1歩間違えれば僕にも危険が伴う危うさを持つ。
それでも。
アイツは僕の道を照らしていく。
たとえそれが、正しくない道であっても・・・だ。
全てを奪われた僕に『与えて』くれる者。

「酷く滑稽だな」

シエルは窓越しに月を撫でる。

どうやら僕は、セバスチャンの存在に助けられているらしい。
『女王の番犬』としてだけではなく、『ただのシエル・ファントムハイブ』としても。

アイツに弱みを吐くつもりはない。
泣き言を言うつもりもない。

けれど。

「名前を呼べば、僕のそばに来てくれるか?」


セバスチャン。





シエルは声には出さずに、そっと彼の名前を呼んだ。





END
 

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【2011/03/23 20:06 】 | Text | 有り難いご意見(0) | トラックバック(0)
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