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【2024/05/03 16:43 】 |
*024
たまには”僕”を忘れたい。




全てを投げ出したくなることは、誰にもある。
暗闇のなか走って逃げたくなることも、誰にもある。
けれど、そんなことを一体どれくらいの人間が本当にしているだろうか。
そんな愚かなことを、誰がしているというんだ。

否。

そんな愚かなことをしないんじゃない。
出来ないんだ。



休息トポロジー


瞳を閉じたら広がる暗闇。
放り投げた四肢は白いシーツに沈ませているが、その沈ませていることにも力が入っているのだろう。身体が嫌に重くて億劫。
しかし一番億劫なのは、いま呼吸をしていることだ。

今は何時だろう。
早く眠らなければ明日が辛い。
明日が辛いとアイツが煩い。
明日が辛いのは問題ないけれど、アイツの小言を聞くのは大層疲れるから、それだけは避けたいのだ。

それでも眠りは訪れない。
早く眠らなければと焦れば焦るほど人は眠れなくなるけれど、きっと今の自分はそういう類のものではないだろう。

眠りたくないのだ。
そう、眠りたくない。
勿論アイツの小言を聞くのは嫌だけれど、それ以上に眠りたくない。
いや、その眠りたくないのと小言を聞くのを嫌というのは裏で繋がっているかもしれない。

ようするに。
明日が来るのが嫌なのだ。

朝陽が昇ることを全ての人間が救いだと思っていと思ったら大間違いだ。
そんなふうに胸の中で一人嘲笑ってみせるけれど、その嫌味は一体誰に向けて言っているのか自分でも分からないから、結局は自分が自分に嘲笑ったということで収拾をつける。



もし。

もしも、だ。
悪魔に、明日が来ないようにして欲しいと願ったら。
アイツは何をしてくれるのだろう。

世界を壊すことをいつかの日に話したような気がするけれど、あまりはっきりと憶えていない。
もしかしたら別に話したこともなくて、記憶違いかもしれないが。
どちらにしてもきっとアイツは自分の命令に首を振ることはない。
その命令をその通りに叶えるかは別として。

明日が来ないようにして欲しい。
その願いはきっとアイツと僕の終わりを示させるに違いない。
復讐は宜しいのですか?と嫌味な顔をして聞いて、それに自分は黙れと返し、早くしろと命令する。
それにアイツは「イエス・マイロード」と言って。

僕の魂を喰らうのだ。

ただその行為1つで済む。
この世界を壊すよりも簡単で、簡潔で、酷く甘美なもの。
今自分を蝕んでいる四肢の重みも、億劫な呼吸もなくなるのだから。







「なんてな」

天井に向けて手を伸ばし嗤う。
分かっている。そんなこと出来るわけがない。
己はシエル・ファントムハイヴなのだ。
その名を背負う限り、自分は復讐に身を焦がす存在でなければいけない。

分かっている。
分かっている。


“仕方の無いことだ”


独りでいるときでさえ、
シエル・ファントムハイヴという名は
泣くことも

許してくれない。


(あぁ…本当にもう、)




僕だって

疲れるときはあるんだ。


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【2011/11/10 23:02 】 | Little Box | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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