「あぁ・・・そうか・・・あぁ」
シエルは椅子に凭れ掛かれながら、電話に耳を傾ける。
「ふうん。なるほどな。あぁ・・・分かっている。・・・お前にしては珍しいな。あぁ、じゃぁそうしてみるか」
返す声はとてもぞんざいな風なのに、口元は楽しそうに弧を描いている。
一体どんな内容なのか。しかし相手はシエルのことを見知った相手なのだろう。
そうでなければ、シエルはこのような口調ではない。
「なに?教えたお礼だと?馬鹿を言うな。そこで何があったのか逐一報告するのがお前の役目だろう?お礼をする義理などどこにもない…が」
シエルは一旦話しを切る。そしてため息をつきながら、
「まぁ、お茶くらい飲みに来てもいいがな」
と付け足す。
そしてそのまま相手の答えを聞かずに、もう切るからな、と一方的に電話を切ってしまう。
この少年が恥ずかしがると、すぐさま話しを切り上げてしまう節があるのを一体何人が知っているだろう。
「さて、と」
シエルは足を組み、目を閉じる。
先ほど電話の相手から貰った情報を頭の中でパズルのように組み立てて、1つの答えを導き出す。
しかしただ1つ答えを導き出すだけじゃ、つまらない。
子供はゲームに貪欲なんだ。
パズルのピースの数を増やすべく、自分の中にある情報を付けたし、より複雑なパズルへと変化させていく。
そして導き出される答えが複数になるように計算する。
表から見たら、ただの単純なパズルだが。
裏から見ると、複数の形で形成されている難儀なパズルだ。
あぁ。これで少しは楽しくなるか。
シエルはニヤリと哂いながら目を開ける。
そして。
「セバスチャン」
有能である執事の名を呼んだ。
-Game-
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あとがき
遅くなってしまいました、6000HIT御礼です^^
2000HIT御礼の時とは違い、甘甘ではないですが・・・そして無駄に長いですが・・・
是非お付き合いしてくださると嬉しいです!!

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