「も、むりッ・・・」
「そんなことないでしょう?随分と気持ちよさそうにしているではありませんか」
泣きそうな声で言っているにも関わらず、セバスチャンは酷く愉しそうに言葉を返してくる。
「ほら・・・坊ちゃん」
「やッ!は・・・あ・・・あぁッ」
崩れ落ちそうな腰を片手で支えながら二本の指で激しく攻め立て、抵抗するシエルを快楽の底へと落とす。
ベッドの上に腰だけを上げている状態は体勢的に辛いし羞恥心を煽るものだが、もうそれを気にしているシエルはどこにもいなかった。
すでに頭は真っ白でうまく思考が働かず、ただアレはまだかと待つばかり。
早く欲しいと思う心と、けれど最後のほんの少しの理性でそれが言えない自分がグルグルと回り、余計にワケが分からなくなる。
「ほら集中してください」
「ひぁッ・・・や、や・・・セバス、チャ、もう・・・やッ」
「だから嘘はいけませんよ坊ちゃん」
「う・・・そ、じゃッ・・・はぁ!」
言葉を紡ごうとしても、そのたびに良い所を指が掠めるので、言葉にならない。
嫌なのは嘘じゃない。もう指じゃ物足りない。早く、早く。
けれどセバスチャンはそんなことお構い無しに、二本の指でぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てながら笑った。
「だって嘘でしょう?ここはこんなに悦んでいるのに」
「いぁ・・・や、やぁ・・・」
「それとも、何か別に欲しいものがあるんですか?」
「ふあ・・・・ぁ」
ねっとりと耳を舐められ、ビクビクと身体が震える。
シエルはシーツを握り締めて囁く悪魔を睨みつけようと顔を動かすも、生理的な涙で歪んだ視野には相手が映り込んでもハッキリとは見えない。
それでもきっと、この意地の悪い悪魔は愉しそうに口元を吊り上げているのだろう。
いつもならここで1つ2つ文句を言ってやるところだが、今のシエルにそんな余裕はなく。
「はや、く」
小さな声でそう呟けば。
「・・・・・・・・ッ!!」
「ん・・・はぁぁぁッ・・・!!」
ようやく待ち望んでいたものがシエルの中へと入ってきた。
その次の日。
セバスチャンはシエルに口をきいてもらえなかっただとか。
end

PR