忍者ブログ
  • 2024.03
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 2024.05
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【2024/04/27 06:01 】 |
もう1つの世界・おまけ2
もう1つの世界・おまけ

「ねぇクロード」
「どうしました旦那様」

金色が黒に染まった時間、シーツの中アロイスはクロードの上に横になった状態で話し掛ける。

「もしもさ、俺以上に美味しい魂があったらどうする?」
「どうする・・・とは、どういうことでしょうか」
「シエルには話したんだけど、俺さ、夢を見たんだよ」

アロイスは最後までは話さず、クロードがアロイスのことを捨て、他の甘美な魂を持つ人間の傍に行った・・・と簡単に話す。
クロードは初め無表情・・・アロイスには分かるキョトンとした顔で聞いていたのだが、だんだんその表情が目に見えて曇り、しまいには唇を噛み締めてしまった。
単なる夢なので、笑いながら話していたアロイスだったが、そんなクロードの変化に内心不安になってくる。

「クロード・・・?」
「旦那様っ」
「うわっ!」

クロードの上に横になっていたアロイスを抱きしめたまま、急にゴロンと1回転し、クロードがアロイスに覆いかぶさる状態になる。
急になんだよクロード!!と叫ぼうとしたが、どこか苦しそうな、またはどこかいじけているような顔で上から睨みつけられ、アロイスは口を開いた状態で固まってしまう。

「どうしてそんなもしも、なんて話しをするのですか」
「え?」
「私が浮気をするとでも思っているのですか?!」
「・・・へ?」

アロイスはクロードの言葉に呆けた返事を返してしまうが、クロードはまだどこか切羽詰った様子だ。

「絶対に私は旦那様以外に浮気などしません」
「いや、そういうことじゃ・・・」
「私のこの身に・・・いや、この世の全てに誓ってっ!」
「・・・・」

二人の間に激しい温度差があるとアロイスは理解し、笑いを堪えるように口元を押さえる。
どうやら夢の内容について、夢を見た本人よりも凄く気にしているらしい。
クロードは元々無表情なことが多いし大抵無口だが、アロイスの前だと、まるで子供のように感情をむき出しにすることがある。
そのことについて、自分に対して素を見せてくれているのだと、アロイスは嬉しいのだが・・・。
止まらなくなっちゃうんだよね・・・クロード。
今もなお、浮気をしないと叫んでいるクロードを見ながら必死に笑いを堪える。

「旦那様への愛は、蜘蛛の糸よりも絡みついております」
「・・・・」
「それとももしや、旦那様は私の愛を疑っているのですか?!」
「・・・っ」
「・・・旦那様?」
「あーっははははっ!もう無理、我慢できないっ!」

アロイスはとうとう我慢できなくなり、盛大に笑い出す。
いきなり笑い出したアロイスに驚き、困惑した様子のクロードだったが、アロイスは特に気にせずにバシバシと目の前の肩を叩きながら笑い続ける。

「あはははっ、やっぱりクロードってクソ面白いよね」
「旦那様?」
「だって、愛が蜘蛛の糸より絡みつくとかさ!嬉しいを通り越して気色悪いよっ!いや、嬉しいけどね!」
「矛盾しています、旦那様」
「はー、笑った笑った」
ハラ痛いよ。

アロイスはやっと笑いが収まり、覆いかぶさるクロードをしっかりと見つめなおす。
クロードは若干不安そうな顔をしながらアロイスを見つめている。
浮気をしないと信じて欲しい、この愛を疑わないで欲しいと顔に書いてある。
馬鹿な奴。
アロイスはそんなクロードの頬を強く引っ張る。

「・・・いはいへす、だんなはま」(痛いです、旦那様)
「バーカバーカ」

ニッと笑いながらクロードの頬から手を離し、少し赤くなってしまった所を優しく撫でてやる。
そして首に手を回し、しがみつくように抱きしめる。

「ちゃんと知ってるよ。クロードが俺のことを愛してくれてるって。別に浮気を心配してるわけでもなくてさ」

アロイスは言う。

「もし俺の他に甘美な魂を見つけちゃったら、もっと俺の方が甘美な魂になるように・・・もっとクロードに好きになってもらうにはどうしたらいいのかなって思ったんだ」
「旦那様・・・」
「まぁ、そんなことも考える必要は無かったみたいだけど」

腕の力を緩め、ちゅっとクロードに口付ける。

「愛してるよクロード。だから、ずっと俺はお前のことだけを見てる」
だから、クロードも俺のことだけを見ててよ。

その言葉にクロードは頬を赤く染め、何度も何度も頷き、ちゅっとアロイスに口付けを返す。

「・・・至福」

ボソリと呟いたクロードに、アロイスは照れ笑いしながら額にデコピンをしてやった。


END

****
あとがき
aya様から、是非クロアロverのおまけも読みたい!というお言葉をいただき、書かせてもらいました^^
あぁ・・・おまけなんて要らないという言葉ではなくて良かった(笑)(お優しい方なので、言う筈がないのですが)
珍しくセバシエおまけよりも、クロアロおまけの方が甘くなりましたww
個人的に、クロードにアロイスがデコピンをするシーンが入れたかったので入れてみました(笑)

aya様、おまけの追加を希望してくださってありがとうございました(≧▼≦)/


拍手

PR
【2011/03/24 16:28 】 | Text | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
<<複雑な恋心 | ホーム | もう1つの世界・おまけ>>
有り難いご意見
貴重なご意見の投稿














虎カムバック
トラックバックURL

<<前ページ | ホーム | 次ページ>>