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【2017/10/23 00:28 】 |
S×Sパニック
【躊躇い】
Spicyセバス×Sweetシエル



自分は悪の貴族だ。
裏の世界の秩序であり、女王の番犬という首輪を絞めている。

「・・・・」

一般人と同じように平凡な暮らしなど出来ない。
そんなことは分かっている。
復讐を糧に生きる僕だ。
そんな“偽り”など欲しくない。

「どうしました?」
「いや・・・なんでもない」

どこか哂いが含まさった声に首を横に振った。
悪魔にしたら滑稽な姿なのだろうな。
拳銃を持った手が震えているだなんて。

躊躇うことは許されない。
甘えることだって。
それは女王の番犬だからというよりも。
自分は“シエル・ファントムハイヴ”という人間だから。

「哀れ・・・ですね」
「・・・どちらが」
「おや、聞きたいですか?」

聞かなくても分かっている。
セバスチャンは僕のことを言っているのだろう。
こういうところには容赦が無いな、と内心で苦笑する。
二人きりの時にはあんなにも甘い空気が流れるというのに。
今日は、いや・・・もうよそう。
夢の世界に浸る時間ではない。

「命令したら如何です?」
「・・・何?」

拳銃をギュッと握り構え直せば、後ろから声を掛けられる。
振り返りそうになった身体を理性で押し留め、排除すべき鼠から視線を逸らさないようにした。

「私に命令をしてくだされば、“今日は”汚れることなくお屋敷に帰れますよ?嫌な夢を見ることもないでしょう。何もなかったかのように、全て忘れてしまったかのように、この後をお過ごしになれば良いのです」
「・・・本気か」
「さぁ。それは坊ちゃんの受け取り次第でしょうね」

酷く冷たい声だった。
きっとその顔は優しく微笑んでいるのだろうが、その瞳はきっと赤く輝いている。
悪魔として。

あぁ・・・これは。
この悪魔はきっと僕を試している。
ここで命令をするか、しないか。

「随分と舐めてくれているな」

口元に弧を描いてみせる。
セバスチャンがこちらを見ているわけではないというのに。
けれどそうしないと、どこか、どこかが。
壊れてしまいそうだった。

「お前は僕が誰だと思っているんだ」
「えぇ・・・どこまでも気高い我が主」

シエル・ファントムハイヴ。

「汚れることなくだと?もうとっくのとうにこの身は汚れ、闇の底に堕ちている。悪魔と契約した時点で」

僕は決めた。
汚れようが堕ちようが構わない。
復讐が果たせるなら、と。

「今更何を言っているんだ」
「出すぎた真似をお許しください」
「ふん」

シエルは重たい鉛を持ち上げて、鼠に向ける。
これは復讐すべき相手に近づく為の一歩だろうか。
それとも、女王の番犬としての仕事の一環なのだろうか。

どちらでも構わない。
構わないけれど。
これが終わったら。

「セバスチャン」

口に出しては言わないけれど。

「僕は躊躇わない」

お前の淹れた
紅茶が呑みたい。


(I'm sorry.)



end

 

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【2011/03/26 07:20 】 | Project | 有り難いご意見(0) | トラックバック(0)
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