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【2017/05/23 02:27 】 |
Sweetな恋人
Sweetシリーズ


時月が美しく輝き世界を照らす時間。
シエルは浴室で温かなお湯に浸かり、心地よさに息を吐く。
その後ろではセバスチャンが寒くないようにお湯を肩から掛け、微笑んでいた。

「お湯加減はいかがですか」
「悪くない」
「それはようございました」

そう言葉を返してきた執事の顔をチラリと盗み見れば、酷く優しい顔をしていて、シエルは自分の口元も緩んでくるのを客観的に感じた。
いつかの時に、こんなに優しい顔をしていたものかと考えたこともあったか。
ふと、そう遠くない過去を思い出して内心苦笑した。
それにしても。最近なぜか過去を思い出すことが多い気がする。
前を向いて歩むことを好む自分は、あまり過去を振り返ることなどしていなかった筈だが・・・。

「坊ちゃん」
「ん・・・どうした」

考え始めようとしたところ、セバスチャンから声が掛かり一旦その思考を停止させる。
何かが含まれた声にシエルはどうしたのかと振り返ろうとするが、その前に次の言葉がシエルへと放たれた。

「今晩、いいですか?」
「今晩?」
「先日の続きを・・・です」
「ッ!!」

セバスチャンの言葉の意味を理解すると同時に、顔が一気に赤くなる。
振り返ろうとした首は、むしろ小さくなるように縮まり、膝を抱きかかえた。

先日の続き・・・。
それは最後までしなかったアレのことだろう。
次はいつなのだろうかと気にしていないわけがなかったが、まさか当日のその晩に言われるとは思っていなかった。
また一週間後とか、予告するように言われると思っていたのだ。
くそッ、急に言うな急に!!
先ほどまで穏やかな気持ちだったのに、たった一言でシエルの心臓は弾けそうなほど高鳴っていた。

「坊ちゃん・・・」

どこか心配そうな、窺うような声にシエルはビクリと肩を震わせ。

「・・・いい」

小さな声で精一杯の承諾を返した。



― Sweetな恋人 ―


「ふ・・・ん・・」

白いシーツの上でどこか逃げるように足を動かしてしまうが、しっかりと腰を掴まれているのだから逃げられるわけがない。

「や、セバス・・・チャンッ」
「大丈夫ですよ、坊ちゃん」
「は、ぁ・・」

シエルは自分のソレに舌を絡める相手の髪をギュッと握り、快感に耐えるように目を閉じた。


あれから。
セバスチャンに誘われてから、どこか時間が止まったようだった。
前回とは全く違い、二人とも全然会話をしなかったのだ。
緊張したシエルは気分を紛らわそうと、普段とは比べ物にならないほど口から言葉が出てきたが、逆にセバスチャンは一言二言しか言葉を返さなかった。
いつもとは違う様子に不安になってしまいそうなシエルだったが、セバスチャンの表情や1つ1つの動作を見れば、そんな不安は苦笑に変わってしまう。
なぜなら、その瞳を見れば酷く優しくて。その手を見れば緊張しているのが感じられて。その唇に触れれば愛しさを感じることが出来るから。
悪戯に『緊張しているのか?』と尋ねれば、どこか捻くれるように『当たり前でしょう』と返された。

『ずっとずっと欲しかったんですよ』
『セバスチャン?』
『今日は、最後まで・・・』
『・・・!』
『余裕がなくて、すみません』

苦笑しながら謝るセバスチャンがなんだか愛しくて、ギュッと抱きつけば唇を奪われて・・・。
それがスタート合図だった。



「ふぁ・・・ん・・・セバスチャッ、もう、いいからッ!」
「そのままイっていいですよ」
「や、だって!!あ、あ・・・んぁ!!!」

ビクビク、と身体を震わせ、我慢できずに熱をそのままセバスチャンの口で放った。
それを前回同様ゴクリと音を立てながら飲み干し、セバスチャンは顔を上げて汗で湿ったシエルの頬を撫でた。

「大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃない・・・ばか・・・」
「可愛らしいですね」
「だから、その言葉も、やめろッ!!」

息が少し乱れたままシエルは顔を背け、唇を尖らせる。
どうしてコイツは毎度恥ずかしい台詞を言うんだッ。
セバスチャンに身体を晒していることでも酷く恥ずかしいのに、言葉まで囁かれたら本当にどうしていいか分からない。
いつもコイツに振り回されてばかりだな・・・。
ずっとずっと、セバスチャンに振り回されている。
自分の想いに気が付いてから。

「何を考えているのですか?」
「あっ」

初めて触れられた場所に、シエルは声を上げて身体を硬くした。
前は触れられることが無かった場所。
そしてそこは、セバスチャンを受け入れる大切な場所。

「セバス、チャン」
「大丈夫・・・大丈夫ですよ」

セバスチャンは、ちゅっと額や頬、あちこちに唇を落としながらそっと指を進めて行く。
ゆっくり、ゆっくり。けれど確実に。

「っ・・・ん・・・」
「痛くないですか?」
「痛くは、ないッ」

異物感はあるけれど、痛くはない。
けれどよく分からない感覚に、シエルは腕を伸ばしセバスチャンにしがみつく。
痛くないと確認したセバスチャンはシエルの中でグルリと指を回し動かし始め、何かを探すように指を動かしていく。

「ん・・・ッ・・・ぁ・・・」
「坊ちゃん・・・」
「ふ・・・つぁ?!」

とある一点の場所に触れられた瞬間、全身に電気が走ったような感覚が襲い、シエルは身体をしならせた。

「な、な、なんだ?!え?」
「ここ、ですね」
「な、なに?!あ、あッ!やぁ!」
「気持ちいいでしょう?」

反応した一点を集中的に触れてくるセバスチャン。
強い刺激にシエルはイヤイヤ、と首を横に振るが、セバスチャンは大丈夫だと囁くばかりで、そこから離れようとはしない。
シエルは快感の渦に飲まれながらも、どこか混乱している頭で理性を持ち続ける。
相手はセバスチャンだ。多少不安があっても大丈夫。けれど。

「んや、あッ!」
「そこは嫌じゃなくて、気持ちいい・・・ですよ」
「だ、って!あ、はぁ!ふぁ・・・ん」
「さて、そろそろいいでしょうかね」

どこか一人で納得したセバスチャンは、やっと指をシエルの中から抜き、それを厭らしく舐め上げる。
シエルは息を乱したまま、それを横目で見つめ。

「せばす、ちゃん!!」

思い切り名前を呼んだ。

「ど、どうしました?」

まるで怒鳴るように名前を呼ばれたセバスチャンは、焦りながらシエルの顔を撫でる。
その手は優しい。愛しさも感じる。だけど。

素直じゃない。

「大丈夫」
「・・・え?」
「大丈夫だから」
「あの、坊ちゃん?」

混乱した様子のセバスチャンの頬を両手で捻り、苦笑する。
絶対にこの悪魔は自分がどんな顔をしているのか、絶対に気が付いていない。
浴室を出てから一度も微笑んでいないということに、絶対に気が付いてない。




いつだって不安だった。
恋の病にかかってから。
この気持ちに気が付いてから。
セバスチャンを好きになってから。

こんな気持ちは一生閉じ込めてしまうつもりだったのに、セバスチャンがそれを許さなかった。
気持ちを素直に認められなければ、ゲームを仕掛けられて宥められる。
逃走すれば、その両腕で捕まえられてしまう。

この気持ちを認めれば、セバスチャンは酷く優しくなった。
名前が呼びたくなれば、何度も名前を呼ばせてくれた。
セバスチャンを欲しがってしまう気持ちも、嫌われないかという不安も、全て受け入れて抱きしめてくれた。

そう。
いつだってセバスチャンは僕を包み込んでくれたんだ。
女王の番犬の姿ではなく、僕自身を。



「セバスチャン」

だから。

「セバスチャン」

余裕がないなら、余裕がなくていい。
不安なら、不安でいい。
お前自身を見させて。

今度は僕が、お前を包み込みたいんだ。
完璧な執事の姿ではなく、お前自身を。
愛しいお前自身を。

「僕は、お前が好きだ」
「ッ!!」

セバスチャンの目が見開かれる。

「別に完璧じゃなくていい。馬鹿なお前でも、変態のお前でも」
魂を喰らう悪魔のお前でも。
「僕はな、セバスチャン。お前自身が好きなんだ」

シエルは瞳に涙を浮かべながら微笑んだ。


分かった。
どうして最近過去を思い出すことが多いのか。
それはセバスチャンとの大切な思い出だから。

今が、とても幸せだからだ。

「好きだセバスチャン。好きだ」
「・・・坊ちゃん!」

力強く抱きしめられ、唇を奪われる。
告白の言葉はセバスチャンの唇に消えていき、代わりに唇同士で愛を語り合う。
優しさなんて感じられないほど、激しく。熱く。
息も出来ないほどの苦しさが丁度いい。
上辺だけじゃなくて、お前の全てを見せて。

―――もっと愛する人のことを感じることが出来るから。

それって、そういうことだろう?


「いいですか?」

口付けを解いたセバスチャンは、先ほどよりもどこか情けない顔をしながら問いかけてくる。
変に余裕ぶっている表情より、僕の恋人であるセバスチャンらしいと感じるのはどうしてだろう。
クスリと笑いながら、シエルは頷いた。

「欲しい、セバスチャン・・・」
「そんなこと言って、泣かされても知りませんからねッ」

先ほど解された場所にセバスチャンの熱が押し当てられる。
耳元で、息を止めないで、と囁かれ、シエルは言われたとおり深呼吸を繰り返す。
すると、ゆっくりと・・・指とは比べ物にならない質量がシエルの中へと入っていき、シエルは無意識にセバスチャンの背中に爪を立てた。

「くッ・・・ん・・・」
「坊ちゃん、痛いですか?」
「平気、だから」

酷い異物感、そして身体を貫かれる感覚。
痛くないなど決して言えないけれど。

「っ・・・全部入りましたよ」

心は凄く満たされて。

「全部、入った・・・?」
「えぇ。ここに全部」

セバスチャンは爪を立てていたシエルの手を掴み、繋がっている部分を指で触らせが、シエルは顔を赤く染めてパッと指を引いてしまう。

「バッ!恥ずかしいことするな!」
「だって、折角の初めてですよ?」
「うるさい!」

すっかり元の調子に戻ったセバスチャンに怒鳴りつけるシエル。
しかしそこで、とあることに気が付いて、あっ、と声をあげる。

「どうしました?」
「お前、やっと笑った」

首を傾げたセバスチャンの頬を優しく撫でれば、セバスチャンはその手を掴んで笑みを苦笑に変えた。

「あー・・・すみません。不安にさせたでしょう」
「どうしていつもと違ったんだ?」
「言ったでしょう?余裕がないって」
「余裕がないって言ってた割りに、そんな表情じゃなかった」
「・・・少しくらい、格好つけたかったんですよ」
「は?」
「それに、どこかに力を入れておかないと坊ちゃんを酷く抱いてしまいそうで・・・」

それだけは絶対に嫌だったんです、と言うセバスチャン。
そういえば前回も、理性が保てそうも無いから止めになったんだとシエルは思い出す。

「ところで坊ちゃん」
「何だ」
「そろそろ、動いてもいいですか?」

よくよく見れば、やっと笑った顔もどこか切羽詰った表情だ。
どうやらこちらの会話に付き合ってくれていたらしい。
きっと、動きたいのを必死に我慢していたに違いない。

「本当にお前は・・・」
「え、なんですか?」
「いや、なんでもない」

シエルは息を吐いて、セバスチャンに再びしがみつく。


本当にお前は、どこまでも僕に甘いな。


そっと笑みを零しながら、再び襲い掛かってくるであろう熱い快感を予想してシエルは瞳を閉じた。




END


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【2011/12/28 10:47 】 | Series | 有り難いご意見(0) | トラックバック(0)
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