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【2017/07/25 05:51 】 |
Sweetは成長中?
Sweetシリーズ


「セバスチャン」
「どうしました?」

セバスチャンは紅茶の準備をしながら、こちらを振り向く。
その顔は甘く柔らかく微笑み、そしてシエルだけを瞳に映している。
それを見たシエルは胸が締め付けられるような思いがして、小さな声で、なんでもないと返して横を向いてしまう。

コイツは昔からこんなに優しい顔をしていたか?

シエルは自分がセバスチャンのことを想っていなかった時のことを考えるが、その時はセバスチャンの表情などいちいち確認していなかったことに気がつく。
ということは。
今はいちいち確認しているということか・・・!!!
シエルは途端に恥ずかしくなり、机に伏してしまう。

「先日は私の名前を呼び続け、今度は百面相ですか?坊ちゃん」

クスリと笑うような声が耳元に響く。
きっと紅茶を机に持ってきたのだろう。フワリと紅茶のいい匂いがシエルを包み込む。
好きで百面相をしているわけではないと叫びたくなったが、伏せたままなぜか黙ってしまう。
あぁ、こんなの僕らしくない。

「なんだか元気ないですね?」

セバスチャンもシエルらしくないと思ったのだろう。
少し心配そうな声音になる。

「大丈夫だ。気にするな」

シエルはセバスチャンに心配を掛けさせたくはないので、そう答えつつ顔を上げるも、やはり目線はセバスチャンの方には向けられない。
これじゃぁ、まるでセバスチャンから逃げていた時に戻ってしまう。

「どうしたのですか?」

セバスチャンは逸らした目線を自分の方に向けさせるようなことはせずに聞いてくる。
その声もシエルを気遣っている風だ。
いつもならば、強引に自分の方に向けるくせに。
どうやら優しくなったように感じたのはシエルの勘違いではないらしい。
だがその優しさが、今はシエルをなぜか苛立たせる。
いつものように僕の頬を掴んで、自分の方に向けさせればいいのに。
それでいつものように強引に口づ・・・。

「うわぁぁぁぁぁっ!!!!」
「なっ!!どうしたました坊ちゃん!!!」

シエルは真っ赤な顔をして、再び机に伏せてしまう。
セバスチャンの声など耳に届いていない。

どうしたんだ、僕!!
どうして、セバスチャンに・・・!!!

触れて欲しいとか思ってるんだ・・・!?


― Sweetは成長中? -



いきなり叫んだ主人に驚いて心配していた執事を振り払い、シエルは仕事をするため執務室に籠っていた。

「んー・・・」

シエルは新商品についての書類を睨みながら、ペンを回す。
取り上げられている新商品の案はいいと思うけれど、何か今ひとつな気がしてならないのだ。
いつもならすぐに新たな案を書き足して次の仕事に取り掛かるのだけれど・・・。

「思いつかん・・・」


なかなかその新たな案が浮かんでこない。
けれどこれは思いつかないということではなく、集中自体できていない。

あれもこれも、セバスチャンのせいだ・・・!!

シエルは回していたペンを机に放り、椅子の背もたれによしかかる。
そして『セバスチャン』と、声には出さず口の形だけで呼ぶ。

先日、シエルはセバスチャンの名前をずっと呼んでいたくて口に出していた。
その度にセバスチャンはシエルの部屋へと訪れ、シエルは他愛の無い話しをして帰すという・・・仕事の邪魔ばかりしていたのだが・・・。
その後、名前を口にしたいとセバスチャンに言えば、その時に好きなだけ名前を呼ばせてくれた。
無駄に名前を呼んでいたことを怒りもせず。
けれど今回ばかりはそうはいかないだろう。

セバスチャンに触れて欲しいって素直に言えばいいのか・・・?!

部屋にいるのは自分だけだというのに恥ずかしさで頬を赤く染め、両手で顔を隠す。
迷惑だったにも関わらず、名前を好きに呼ばせてくれたセバスチャンだ。
きっと触れて欲しいと言えば触れてくれるだろう。仕事がはかどらなくとも。
けれど今回は自分が言い出せない。
恥ずかしくて絶対に口には出せない。

「はぁ・・・」

シエルは大きくため息をつく。
なんというか、これを名付けるのならばセバスチャン不足だな。
このままセバスチャンのことを考えていたって、仕事が進むわけではない。
むしろ溜まっていく一方だ。
急ぎのものは無いとしても、このままでいいワケはない。
嫌味の一つでも言われてしまうだろう。
言う本人のせいだというのに・・・。

「くそっ。こんなのは僕じゃない」

シエルは顔を隠していた両手で頬を叩く。
自分は恋の病なんぞに負ける人間じゃない。
こんなのは嫌だ。

自分のすべきことを思い出せ。

シエルは息を吐いて、再びペンを握る。
そして目を閉じて、一旦頭の中を空っぽにしてセバスチャンのことを頭からも心からも追い出していく。
目を開けた時には、セバスチャンへの想いに気がつく前のシエルに戻っている。

そう、これが自分だ。

シエルは無意識に唇を噛んで、机に積んである書類へと手を伸ばした。


****


カリカリと自分の動かすペンの音に、扉を叩く音が混じる。
シエルは特に顔も上げずに入れ、と一声掛けると、失礼します、と言う凛とした声が耳に入ってくる。
けれどシエルはそのまま書類にペンを走らせる。

「何だ」
「いえ、そろそろ休憩にスイーツを欲しがる頃だと思いまして・・・」

セバスチャンは何だかぎこちなげに言う。
しかしその理由を探ることもせず、シエルはただ淡々と受け答えをする。

「そうか。じゃぁ机に置いてくれ。あぁ、この書類には目を通しておいた。いつものように区別して送ってくれ」
「あの、坊ちゃん?」
「何だ」
「どうか、なさったのですか?」
朝から様子がおかしかったですし。

セバスチャンは扉の付近にワゴンを置いたまま机に近づいてくる。
足音でそれを認知したシエルは、ピクリと反応し走らせていたペンが止まる。
するとセバスチャンの足も止まり、室内が妙に静かになる。

「どうしたんですか?坊ちゃん。様子がおかしいですよ」

セバスチャンはあと机まで2,3歩の所で声を掛けてくる。

「おかしくなんかない」

シエルはそのままの状態で固まっている。

「おかしいですよ。何かに怒っているのですか?」
「怒ってない」
「では、なぜ?」
「なんだ」
「今の坊ちゃん、なんだか前の坊ちゃんみたいですよ」

コツリ、コツリ、二歩進んだ音が部屋に響く。
シエルは何も聞こえていないフリを自分自身にする。
顔も上げない。目も合わせない。
だって今の僕は。

「今の貴方は」

そっと、頬に手袋越しのセバスチャンの手が触れる。

「私への想いに気がついていない時の貴方だ」

――― セバスチャンへの想いに気がついていない時の僕だ。


頬に触れていた手でグイっと強引に顔を上に上げられる。
そして赤い視線と自分の視線がぶつかり合う。

「何ですか?急に冷めたのですか?」

眉を寄せ、苦しそうに微笑むセバスチャン。

――― あぁ、それでも。

「もしそうだとしても、私は貴方を手放しませんよ」

優しさなんて感じられない、冷たく放たれる言葉。

――― 愛しく感じて。

「永遠に貴方は私のモノですから」

――― 触れて欲しい。




「・・・セバスチャン」


もうだめだ。
がまんができない。
だってこいつはいまめのまえで、

ぼくにふれているんだから。



シエルはペンを落とし、両手を伸ばす。
そしてセバスチャンの首に回し抱きつく。

「坊ちゃん?」


何が何だか分からないという表情と声で名前を呼んでくる。
頬に触れていた手は離れ、行き場を彷徨っている。

もっとよんでほしい。
もっと、もっと。


あの日、セバスチャンの名前を沢山口にした。
けれど、ただセバスチャンの名前を口に出すだけじゃ物足りなくなった。
呼んだ声に答えてくれた方が、嬉しいと知ったから。

だから。
もっとよんで。

「セバスチャン・・・」

どうしたらいい?
この満ちてくる想いを。
どこに吐き出したらいい?
この満ちてくる愛しさを。

わからない。
わからない。
わからないけど。

やっぱり ふれてほしい。


シエルはもっと抱きつきたくて、椅子から立ち上がる。
音を立てて椅子は倒れたけれど、そんなこと気がつきもしないで。
机越しだから、セバスチャンがどんどん前のめりになってしまうとか、
机越しだから、自分のお腹に机の角が当たって痛いとか、そんなことお構いなしに、
シエルはセバスチャンの首に抱きつく。
そして、頬に頬をくっつけて、満足そうに頬擦りをする。

「セバスチャン」
「坊ちゃん・・・」

行き場を彷徨っていた手がシエルの背中に回される。
そして

「うわっ」

急に持ち上げられ、机の上へと座らせられる。
これでもっと抱きやすくなり、シエルは何も言わずに先ほどよりも力強く抱きつく。
するとセバスチャンも同様に抱きしめ返してくる。

「私を、嫌いになったわけではないのですか?」

小さな声で囁くように尋ねてくる。
シエルも同じように、違う、と返す。

「昔の僕に、戻ろうとした。うまくいかなかったが」
「なぜです?」

かすかに耳に当たる息がこしょばしくてピクリと身体が反応してしまう。
けれど自分から離れることなどしたくなくて、シエルはそのまま続ける。


「仕事に集中できなかったから」
「なぜ集中できなかったのですか?」

「・・・お前のことばかり考えるからと言ったら・・・笑うか?」
「笑うわけないでしょう」

頬にチュッと口付けを落とされる。

「なんというか・・・セバスチャン不足で、仕事が進まなくて・・・」
「私不足…ですか?」
「そんなの僕らしくなくて、なんか・・・嫌で・・・」
「だから私を想う前の貴方に戻ろうと?」

その問いにシエルはコクンと頷くと、まるで子供をあやすようにセバスチャンの手が軽くシエルの背中を叩く。

「全然坊ちゃんらしくないなどと、思わなくてもいいのですよ?」
「でも、変だろう。お前のことばかり考えていて嫌だ。ぐるぐるしてくるし、なんか・・・」
「なんか?」
「セバスチャン不足が・・・1番やだ」
「あの、私不足って・・・何ですか?」
「・・・っ」

シエルはセバスチャンの肩を押して、分からないのかっ?!と赤い顔で睨みつける。
セバスチャンは困ったように笑うだけで、どうやら分からないらしい。
それはそうだ。セバスチャンは悪魔なのであって、エスパーではないのだ。

「~~~~っ」

触れて欲しいなどと、口に出せるわけがない。
それにもしも言って、軽蔑でもされたら?坊ちゃんらしくないと言われたら?
セバスチャンがそう言うはずがないと分かっていても、不安は拭えない。

「大丈夫ですよ、坊ちゃん」

不安なのが顔に出ていたのだろうか。
セバスチャンがもう一度頬に口付けを落とす。

「何を言っても、坊ちゃんは坊ちゃんです。変だなんて思いませんよ」
「・・・本当か?」
「えぇ、嘘はつかないと言っているでしょう?」

優しく微笑むセバスチャンに、今日の朝に感じたように胸が締め付けられる。
きっとここで言わないと言っても、きっとセバスチャンは聞き出しにくるだろう。
この悪魔はそういうヤツだ。
だったら、今ぱっと言ってしまった方が絶対にいい。
けれど、素直に言葉になどできない。
だから・・・。

シエルは一回深呼吸をした後、セバスチャンと向かい合わせになった状態のまま瞳を閉じる。

「・・・坊ちゃん?」



その様子を見たセバスチャンはどうしたのかと声を掛けてくる。
それはそうだろう。いきなり目の前で目を閉じ始めたのだから。

「ん!!」

それでもシエルはセバスチャンの目の前で目を閉じる。
内心、早く気がつけ!!と恥ずかしさで死にそうだ。
けれどセバスチャンは分からないようで黙ってしまう。
しかし、数秒後。


「・・・っ!!」

息を呑むような音が聞こえて、背中に回っていた片腕が再び頬へと触れてくる。
どうやらやっと分かってくれたらしい。
ほっとするが、次に起こることを考えると身体が硬くなってしまう。
クスリと笑う声が耳をくすぐり、そして次にはゆっくりと唇に柔らかいものが寄せられる。
もう目など開けなくとも分かる。

セバスチャンの唇だ・・・。

暖かいセバスチャンのそれは、一瞬触れただけで離れる。
本当に正解だったのか不安だったのだろう。
しかしその一瞬だけじゃ物足りず、シエルは無意識に燕尾服を引っ張ると、再び唇が寄せられる。
まるで唇で唇を撫でるような口付けは、どんどん深く激しくなる。

「ふ・・・ん・・・んン」

歯列をなぞられ、上顎をなで上げられると、背中がゾクリとしてしまう。
飲み込みきれない唾液が顎を伝って落ちていくが、今はそんなことを気にしている余裕など無い。
与えられる口付けを受け止めるのに精一杯だ。

「ふぁ・・?!」

口付けを受けながら、太腿を撫で上げられる。
驚いたシエルは咄嗟に口付けを解いてしまう。
するとセバスチャンは耳元に顔を寄せ、耳たぶを甘噛みされる。

「ひゃっ・・・セバス、チャン?!」
「触れて欲しかったのですか?」

いつもよりも色っぽい声で囁くセバスチャン。
甘噛みした耳たぶをぺロリと舐めると、今度は首筋を舌が辿っていく。

「ん・・・そ、だけど。待て・・・」

セバスチャンを押しのけようとするが、震える体には力など入らず、ただセバスチャンの胸に手を添えるだけになってしまう。
そうしている間に、セバスチャンはシエルのタイを解き、ブラウスのボタンを外していってしまう。

「そう思ってくださって、凄く嬉しいですよ。全然変なんかじゃありません」
「ま・・・て・・・あ、やっ、ちょっと!!」

鎖骨まで舌が辿り、強く吸い付いてくる。

「んっ」
「もっと欲しがってください」

いつの間にか手袋は脱ぎ捨てられていて、シエルの身体に直接触ってくる。
ボタンは全て外され、上半身がセバスチャンの目の前に晒されている。
シエルは着替えの時とは違う雰囲気に、恥ずかしさで前を隠そうとするが、手を取られてしまう。

「隠さないで見せてください。着替えの時はあまり見ないようにしていたのですから」
「な、んで」
「当たり前でしょう。私はいつも坊ちゃんに触れたいと思っているのですよ?直視出来るはず無いでしょう」

セバスチャンは苦笑する。
ここで、あぁそうだったんだー、僕だけじゃなかったんだーと思えたら良かったのだが。

「セバスチャン、待て・・・僕は・・・」

ここまで触れたいと思っていたわけではなった。
ギュッと抱きしめて、キスして欲しいだけだった。
こんな、こんな・・・!!
恥ずかしいことされるとは思わなかった・・・!!!!!

「坊ちゃん」

ツツツ・・・と肌を辿り、胸の尖りに指が触れた瞬間。

「ストーーーーーープ!!!」

シエルは大声で叫んだ。
セバスチャンは驚いたのだろう、まるで敵に拳銃を突きつけられたかのように、両手を挙げてピタリと止まる。
シエルはセバスチャンが離れた瞬間、ブラウスで前を隠し、涙目で睨みつける。

「ふ、触れて欲しいと思ったが、ここまでしていいとは言ってないっ!!!」
「えっ!!ちょっと坊ちゃんっ!!」
「ぼ、僕は抱きしめて欲しくて・・・それで、き、きすしてもらいたくて・・・」
「・・・」
「なんだその目は・・・」

前を隠しながら怒っていると、セバスチャンが泣きそうな顔をしながら睨んできていた。
まるでそれは子供がダダを捏ねている時の顔だ。

「酷いですよ坊ちゃん!!!」
「何がだっ!!」
「そんな・・・食べてくださいというように自分を差し出して、それなのにキスだけとか・・・!!どれだけ私の理性を試すおつもりですか?!」
「なっ!僕が差し出したのは唇だけだ!!」
「それだけだと思うわけがないでしょう!可愛いこと言われて!しかも甘えてきて!!そこで我慢できる悪魔を見てみたいですよ!!」
「うるさいうるさーいっ!!!やっぱり触れたいと思った僕がおかしかった!!」
「別におかしくないですから!!そう思わないでください!これ以上我慢期間が長くなるなんて嫌です!」
「何だ我慢期間って!!もういい!僕は仕事をする!」
「え、ちょっと坊ちゃん!!私不足はどうしたのですか?!」
「もういっぱいになった!もうお前は必要ない!出てけ!!」
「えー!!すごくいい雰囲気になったのに、その言葉はあんまりです!じゃぁ、キスだけでも・・・!!」
「うぇ・・・?」


キスだけでも、という言葉にシエルの顔は一瞬にして赤くなる。
どうやらキスはまだしてもいいらしい。
セバスチャンはそんなシエルを見て、うなだれる。

「ちょ・・・どんだけ可愛いのですか貴方は・・・ですが、キス止まり出来る自信がありませんよ私・・・」
「じ、じゃぁ触るな!!」
「だからその差は何なんですか!!キスはありで身体はダメなんですか!!」
「・・・そうだ!!それじゃぁ悪いか!!」
「まぁ、前より成長してくださってますが、いつになったらいいんですか?!」
「・・・まだ、もう少し・・・」
「だぁ・・・!!!その可愛い顔やめてください!!私の息子はもう準備万端になってしまうではないですかっ!!」
「何?!貴様息子がいたのか?!」
「・・・はい?え、私には息子はいませんけど・・・え?」
「は?だってお前、今息子が、て・・・」
「いや、息子って・・・あの・・・」
「息子がいるんじゃないのか?」

僕がそう言った瞬間、セバスチャンは見事に白骨化した。




END

 

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【2011/03/24 17:39 】 | Series | 有り難いご意見(0) | トラックバック(0)
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