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【2017/12/15 05:39 】 |
捕まったのはお前か、それとも僕か。


確かにあのとき“自由”を手に入れた気がした。
今までの首輪も、そして刻印も全て己から消え、シエル・ファントムハイヴという何の飾りも無い自分自身になれたと思ったのだ。


「さぁ坊ちゃん、本日はどこにお出かけになりますか?」
「…今日は図書室で本を読む」
「かしこまりました」

決してニコヤカではないが、初めの頃のような不機嫌な表情でもない。
そんな顔でセバスチャンは一礼し、図書室へ向かうシエルの為に扉を開けた。

「今日は一人でゆっくりしたいから図書室には近づくな」
「“今日は”ではなく“今日も”でしょう?坊ちゃん」
「…別にどちらでもいいだろう」

ため息をつきながら開けられた扉をくぐり廊下へと出る。
古く捨てられた屋敷は、ここに住むと決めた時にセバスチャンの手によって美しく蘇り、今では以前にすんでいた屋敷と同じくらい立派なものとなっている。
ピカピカに磨き上げられている大理石の廊下はコツリコツリと足音を煩いくらいに響かせ、二人の存在を意識させた。

「貴様は僕の命令に従っていればいいんだ」
「随分と横暴な主人で」
「あくまで悪魔だからな」
それに、この命令は別に貴様にとって苦じゃないだろう。

シエルは斜め後ろからついてくるセバスチャンに振り返らず言えば、ピタリと一人分の足音が止った。
それにシエルは気が付いたが己の歩みは止めない。
だって自分は。

「そんなにお一人になりたいのですか?」

セバスチャンの声が廊下に響く。

「……どうしてそう思う」

それに仕方なく足を止め、もう一人分の足音も消えて。
代わりに二人の声が屋敷を震わせた。

「近頃わたしを傍に置きませんね」
「以前だって別にそこまで一緒にいたわけじゃないだろう」
「けれど自ら離れろ、という命令は仕事の時以外あまりなさらなかった」
「……それが何だ」
「全て言ってもいいのですか?」

後ろから腕が伸び、シエルの身体をギュッと力強く抱きしめた。
それに驚いたシエルは一瞬息を詰めるも、振り返ることはせず内心の舌打ちでとどめておく。
足音はしなかった。こんなに響く廊下にも関わらず。
けれどそれは不思議なことでも異質なことでもなく。
ごく悪魔として“普通”のことだ。

「私は貴方の執事…永遠に」
「・・・・」
「これは元々貴方の台詞でしたね、マイロード」

セバスチャン・ミカエリスの声がシエル・ファントムハイヴの身体へと染み込んでくる。
その腕から逃れることは出来ない。
たとえ自分も悪魔になったとしても、それは変わらない。

あの頃と何も変わらない。

「逃げても無駄ですよ、契約がありますから」
「…僕の魂がもう喰らえないというのにか」
「えぇ。私は美学を大切にしていますので」

片腕がスルスルと上へと辿り、首元に触れ、まるで口付けでもするかのようにそっと撫でた。

「まぁ美学以外の大切なものも見つけましたが」
「・・・・」

それは何だとは聞かない。
絶対に聞きたくなど無い。

けれどそれを相手も分かっているから。
耳元でクスリと笑って。

「ねぇ、坊ちゃん」

今日も名前を呼ぶのだ。
あの頃と変わらぬ声で。



まるで見えない鎖のように。
今日もその声で名前を呼ぶのだ。



end


****
あとがき
「lady gray」れん様と素敵コラボ第二弾!!
もうこちらも素敵すぎますよね!!
互いが互いに捕まっているの大大大好きなんです!!!wwww
妄想の膨らみ方もハンパないですよね(真剣)

れん様、本当に素敵な絵をありがとうございました(≧▽≦)/
是非またやりましょうね~v

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【2011/08/07 12:19 】 | Text | 有り難いご意見(0) | トラックバック(0)
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