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【2017/07/26 13:33 】 |
GameⅡ4

GameⅡの続きです。

「ようするにお前は、怖がってセバスチャンに縋る姿を見たかったわけだな・・・?」

シエルは怒りに震えながら、セバスチャンを睨みつける。
睨まれたセバスチャンは汗を掻きながらにこやかに一歩後ろへと下がる。

「ま、まぁ・・・そうですね」
「貴様~~~~!!」

シエルは逃げた一歩を埋め、首に掴みかかる。
そして

「この変態執事がぁぁぁぁ!!!」

大声で怒鳴った。

「僕がどれだけ真剣に考えていたと思っているんだ!!それが、ただの変態に振り回されていただけって、どれだけ貴様の脳は歪んでいるんだ・・・!!」
「し、仕方がないじゃないですか!!誰も見たことがない恋人の一面を見たいと思ってはいけないことですか?!」
「逆切れか?!あーくそっ!あれだけ考えてた僕が馬鹿みたいじゃないか!」
「ちなみに坊ちゃん、気配の犯人は・・・」
「あ?!グレル・サトクリフしかいないだろうが!!」



そう。
セバスチャンにゲームを投げかけられた時から答えはすでに出ていた。
この屋敷に入り込んでおきながら、あの三人に捕らえられなかった人物。
そして僕の命を狙わない、セバスチャンが放っておける人物。
それに加えて一瞬の気配。
そこから導かれる答えはただ一つしかない。

あの、セバスチャンを愛して止まない真っ赤な死神。
グレル・サトクリフしかいない・・・!!

「大正解DEATH☆」
「!?」

シエルとセバスチャンの横にあった扉が音を立てて開く。
その先には噂の真っ赤な死神がキメポーズをして立っていた。

「昨日はガキの番犬に邪魔されちゃったから、今日改めて来てみたら何?一体なんのゲームをしてるのかしらぁ?」

カツンカツンと、冷たい足音を立てながら部屋から出てくるグレル。


「もしやアタシの取り合い?!そ、そんなダメよ・・・私はもう、セバスちゃんのモノだか・・・ら?」

グレルはセバスチャンに抱きつこうと両手を広げた状態で固まる。
その視線の先には人を殺せそうな程怖い形相で睨んでいるシエルの姿と、あちゃーという表情で固まっているセバスチャン。
な、なんだか不味い状況の時に来ちゃったのかしらねぇ・・・。
グレルは二人・・・特にシエルを見ながらまばたきをする。
しかしもう遅い。

「き・さ・まぁ~~~~~!!!」

シエルはセバスチャンの首から手を離し、今度はグレルの首に掴みかかる。

「貴様が昨日ノコノコと変態執事に会う為に屋敷に忍び込んでくれたおかげで、こっちはくだらないことに巻き込まれたんだぞ!!」
「ちょ、ちょっと何よアンタ!!なんでそんなに怒っているのよぉ?!それにアタシまだ一言もセバスちゃんに会いに来たなんて・・・」
「貴様がここに来ると言ったら、それしかないだろうが!!しかも邪魔されたワケじゃなくて、お前が変態に会うことで頭が一杯になって勝手に気配を消し忘れただけだろう!違うか?!」
「あの坊ちゃん、変態執事から、ただの変態になっていますが・・・」
「うるさい!貴様は黙ってろ!」

シエルは怒りのままにグレルの首を絞め、揺さぶる。
出てきた瞬間から不幸なグレルである。

「おい、違うのかって聞いているんだ」
「お、仰るとおりDEATH・・・」
「この馬鹿が!!それでも死神か!!」
「セ、セバスちゃん・・・た助けて・・・」


グレルはセバスチャンに手を伸ばす。
しかしセバスチャンは。

「嫌です」
「ひ、ひどいィィィィ!!」

グレルの伸ばした手は誰にも捕まれず、空を切る。
出てきた瞬間にこの扱いって・・・どれだけアタシ、可哀相な死神なの・・・?
あぁ・・・もう少しで自分のシネマティックレコードが見えそうな気がするわ・・・。


愛してる
貴方の前で
死ねるなら
それもアタシの
本望DEATH☆

グレル


「おい、誰が眠っていいなんて言った!!」

シエルは叫びながら、まだグレルの首を絞め揺さぶり続ける。

「いえ、死にかけているんです坊ちゃん」

そこに冷静な突っ込みを入れるセバスチャン。
どんなに冷酷な悪魔でも、その瞳には憐れという文字が浮かんでいる。
しかし助けようとしないところがやはり悪魔である。
いや、助けられないというのが本音だろうか。
助けた瞬間、怒りの矛先は私の方に来ますからね・・・。
でも・・・。

「目を覚ませ死神!まだ話しは終わっていない!!」

坊ちゃんがあの馬鹿に構っているのが面白くないですね。
セバスチャンは瞳を死神よりも赤く染める。


このゲームは元々坊ちゃんと二人でためのもの。
早めの時間から回って坊ちゃんを怖がらせた後、ゆっくりと愛を交し合おうと思っていたのに。
まさか今日もあの馬鹿が屋敷に来るとは・・・。
あぁ、坊ちゃんは幽霊などに怖がらず、すでに犯人の正解を導きだしていた。
あれだけの情報で導き出せる主人を誇りにも思いますが、私の願いは叶わずじまい。
しかもそれだけではなく、今坊ちゃんの瞳に映っているのは赤い死神。

「前回のゲームでもそうでしたね・・・」

セバスチャンはゆっくりと一歩踏み出す。

前回のゲームもそう。
どんな理由があろうとも私以外の駒を使い、そして自ら私を離れさせた。
その間に劉様と二人きりで接触。その瞳には劉様を映した。
どうして貴方はそうも簡単に私以外の者をその瞳に映すのですか。

私の瞳には、いつも貴方しか映っていないのに。

「坊ちゃん」

セバスチャンはシエルに手を伸ばす。
怒りで揺さぶり続ける腕をそっと、力強く押さえる。

「何だ!?貴様も少しは」
「その手を離してください」
「は?」


シエルは眉を寄せる。
「はっ!…にぃん!!」
「あ、この死神!」

揺さぶりが止まったグレルは、パチリと目を開け、一気にシエルから距離を取る。
シエルは追いかけようとするが、セバスチャンが腕を掴んだまま離さず、追いかけることが出来ない。
怒りで半分我を忘れているシエルは、再びセバスチャンに掴みかかる。が・・・。

「セバス、チャン?」

静かに揺れる赤い瞳に、シエルは息を呑む。
この顔には見覚えがある。
あの時、劉を見ていた瞳だ・・・。
シエルの怒りは一気に冷め、次は背中に冷たいものを感じる。

「セ、セバスちゃん・・・!!助けてくれると信じていたわアタシ!!」

そんな中、解放されたグレルは感動の涙を流し、今度こそセバスチャンに抱きつこうとするが。

「失礼ですがグレルさん、もう帰って頂けますか?」
「え・・・?」

今度はセバスチャンに睨まれ、グレルは動きを止める。
睨みつけてくる赤い瞳に、グレルはニコっと微笑んでみるがセバスチャンの表情は変わらない。
・・・ここは素直に帰った方がいいかもね。
何があったのか分からないが、そうした方が自分に良いと空気を呼んだグレルは、

「じゃ、じゃぁ、今日はこれでおいとまするわ。今度一緒にデートしましょね、セバスちゃん☆」
バイバイちゅーん♪

颯爽とファントムハイヴ家を後にした。
それはもう華麗なほど、素早く。

「・・・・」

セバスチャンはそのままグレルが去っていった方をしばらく見つめる。
まるで気配が完全になくなるのを待つかのように。
シエルはそんなセバスチャンの様子を不安そうに伺う。
セバスチャンが再び怒ったのだ。このまま終わりということにはならないだろう。
しかし・・・今度はどうしてこんなに怒ったんだ?
別に二人きりで会っていたわけでもないというのに。
セバスチャンの怒りの原因を考えていると、急に燭台の灯りが消える。

「ん?セバスチャン?」

灯りは?と言おうとしたところで、いきなり身体がフワリと持ち上がる。

「?!」

驚いたシエルは無意識に何かに捕まろうと腕を伸ばし、目の前にあった何かに抱きつく。
いきなり暗闇になったので、視界はまだ全く利かない。
けれど。

「・・・?」

よくある浮遊感にシエルは巻き付く腕の力を抜く。
これは・・・。

「おや、離してしまわれるのですか?ずっと腕を回してくださっていて結構ですよ」

耳元から聞こえる、セバスチャンの声。
まさか僕は抱き上げられたのか・・・!!!じゃぁ今抱きついていたのはセバスチャンの頭?!
シエルは分かった途端に顔を赤く染める。
流石は悪魔、暗闇でも目が利くのだろう。クスリと哂う声が耳に響く。

「急に何をするんだ!驚くだろう!」
「すみません、何かを考えている様子でしたので」
「灯りは?」
「坊ちゃんを抱き上げるのに邪魔でしたので、消させて頂きました」

セバスチャンは答えながら歩き始める。
それによっていきなり身体が揺れて不安定になったシエルは、セバスチャンの首に慌てて手を回す。
落とされることはないと分かっていても回してしまうのは、人間の防衛本能だろう。

「おい、一体どこに行くんだ」
「何を仰っているんです。屋敷を一周回りに行くですよ」
「は?もうゲームはいいだろう」
僕は怖がらないぞ?


シエルがそう言うが、セバスチャンは止まらない。

「坊ちゃん、ご自分で仰ったことをお忘れですか?」
「なに?」
「お前が投げかけたゲームは最後まで責任持て・・・と」
一周回るまでゲームは終わりません。
「・・・っ」

目が慣れてきたシエルの瞳に、冷たく哂う悪魔の顔が映る。

「さぁ坊ちゃん」


ゲームはまだ続いておりますよ?




悪魔は低く囁いた。



****
あとがき
区切りの都合上、短めにUPしました。
前回は劉を登場させたので、今回はグレルを登場させたのですが・・・
なんか出てきた意味あった?というくらい出番がありませんでしたorz
セバスチャン、もう少し絡んでやれよ(と言いつつ、書いた私が悪い・・・)



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【2011/03/24 16:20 】 | Text | 有り難いご意見(0) | トラックバック(0)
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