忍者ブログ
  • 2025.04
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • 2025.06
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【2025/05/11 08:14 】 |
Light in the darkness…
暗いけど最終的にはハッピーエンド?




拍手

PR
【2011/09/28 10:01 】 | Text | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
捕まったのはお前か、それとも僕か。


確かにあのとき“自由”を手に入れた気がした。
今までの首輪も、そして刻印も全て己から消え、シエル・ファントムハイヴという何の飾りも無い自分自身になれたと思ったのだ。


「さぁ坊ちゃん、本日はどこにお出かけになりますか?」
「…今日は図書室で本を読む」
「かしこまりました」

決してニコヤカではないが、初めの頃のような不機嫌な表情でもない。
そんな顔でセバスチャンは一礼し、図書室へ向かうシエルの為に扉を開けた。

「今日は一人でゆっくりしたいから図書室には近づくな」
「“今日は”ではなく“今日も”でしょう?坊ちゃん」
「…別にどちらでもいいだろう」

ため息をつきながら開けられた扉をくぐり廊下へと出る。
古く捨てられた屋敷は、ここに住むと決めた時にセバスチャンの手によって美しく蘇り、今では以前にすんでいた屋敷と同じくらい立派なものとなっている。
ピカピカに磨き上げられている大理石の廊下はコツリコツリと足音を煩いくらいに響かせ、二人の存在を意識させた。

「貴様は僕の命令に従っていればいいんだ」
「随分と横暴な主人で」
「あくまで悪魔だからな」
それに、この命令は別に貴様にとって苦じゃないだろう。

シエルは斜め後ろからついてくるセバスチャンに振り返らず言えば、ピタリと一人分の足音が止った。
それにシエルは気が付いたが己の歩みは止めない。
だって自分は。

「そんなにお一人になりたいのですか?」

セバスチャンの声が廊下に響く。

「……どうしてそう思う」

それに仕方なく足を止め、もう一人分の足音も消えて。
代わりに二人の声が屋敷を震わせた。

「近頃わたしを傍に置きませんね」
「以前だって別にそこまで一緒にいたわけじゃないだろう」
「けれど自ら離れろ、という命令は仕事の時以外あまりなさらなかった」
「……それが何だ」
「全て言ってもいいのですか?」

後ろから腕が伸び、シエルの身体をギュッと力強く抱きしめた。
それに驚いたシエルは一瞬息を詰めるも、振り返ることはせず内心の舌打ちでとどめておく。
足音はしなかった。こんなに響く廊下にも関わらず。
けれどそれは不思議なことでも異質なことでもなく。
ごく悪魔として“普通”のことだ。

「私は貴方の執事…永遠に」
「・・・・」
「これは元々貴方の台詞でしたね、マイロード」

セバスチャン・ミカエリスの声がシエル・ファントムハイヴの身体へと染み込んでくる。
その腕から逃れることは出来ない。
たとえ自分も悪魔になったとしても、それは変わらない。

あの頃と何も変わらない。

「逃げても無駄ですよ、契約がありますから」
「…僕の魂がもう喰らえないというのにか」
「えぇ。私は美学を大切にしていますので」

片腕がスルスルと上へと辿り、首元に触れ、まるで口付けでもするかのようにそっと撫でた。

「まぁ美学以外の大切なものも見つけましたが」
「・・・・」

それは何だとは聞かない。
絶対に聞きたくなど無い。

けれどそれを相手も分かっているから。
耳元でクスリと笑って。

「ねぇ、坊ちゃん」

今日も名前を呼ぶのだ。
あの頃と変わらぬ声で。



まるで見えない鎖のように。
今日もその声で名前を呼ぶのだ。



end


****
あとがき
「lady gray」れん様と素敵コラボ第二弾!!
もうこちらも素敵すぎますよね!!
互いが互いに捕まっているの大大大好きなんです!!!wwww
妄想の膨らみ方もハンパないですよね(真剣)

れん様、本当に素敵な絵をありがとうございました(≧▽≦)/
是非またやりましょうね~v

拍手

【2011/08/07 12:19 】 | Text | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
鎖と言う名の永遠は、愛という名の甘さだから。


悪魔になってからの年月は決して短くは無い。
しかし人間の感覚からしたらそれは“長い”の分類に入るだろう。

「坊ちゃん」

名前を呼ぶ彼の瞳はどこか熱を持っていて、僕が人間だった頃とは違う何かを宿している。
僕が悪魔になった時はあんなにも冷え冷えとしていたというのに。
あの頃とは違う熱…まるで愛しいものでも見るかのような瞳になったのは、いつからだっただろうか。
それを思い出そうとすれば、いつかの日の“風船”が目の前にちらついてくるのだが、ハッキリとは思い出せない。
だが、それでも構わない。

「どうした、セバスチャン」

僕はその瞳に気が付いていない振りをして、彼の声に答える。
彼に微笑みは不要。なぜなら彼は悪魔で執事であり、自分も悪魔で主人なのだから。

「少し、いいですか?」

目線を少しだけ下にしながら、どこか言いづらそうに言うセバスチャン。
もうこれは何度も行われたやり取りなのに、どうしてまだ慣れないのだろう。
いや、慣れる筈が無い。
もう喰らうことの出来ない魂を持つ僕を求めてしまうこの現状に一番困惑しているのは、きっと彼自身だろうから。

「あぁ」

僕は頷き、両手を広げて彼を呼ぶ。
するとセバスチャンはコツリと革靴の音を響かせながら一歩一歩前に進んで、シエルの腕の中へと。
そして己の腕もシエルの背中へと回した。
力強く。悪魔である自分も苦しいと思うほど、力強く。

(馬鹿な奴)

人間の執事をやっていた頃よりも順応な狗になった姿は酷く滑稽だ。
そしてそんな姿が嬉しいと思ってしまう自分も。

きっと僕が悪魔になったすぐならば、逃げる隙はあっただろう。
セバスチャンだって、僕だって。
けれどもう手遅れだ。

こんなの、悪魔になったことよりもタチが悪い。

「坊ちゃん…」

甘い声が耳を擽る。
きっと今日はもうこの腕の中から彼が動くことはないだろう。
僕を放すことはしないに違いない。

「セバスチャン」

それでいい。
僕だってセバスチャンを放す気なんて微塵もないのだから。


(きっとこの“永遠”は退屈しないだろうな)


シエルはセバスチャンの見えない位置でこっそりと、
酷く優しく微笑んだ。



end


****
あとがき
「lady gray」れん様から、素敵な絵を相互リンク御礼でいただき!!
そして僭越ながら文章をつけさせていただきました~~~ッ!!!!
れん様、素敵な絵をありがとうございます!!!
悪魔主従のリクエストをさせていただいたら、こんな素敵な絵が送られてきて(ブホ←鼻血)
もう妄想が膨らんで膨らんで、楽しく文章を書かせていただきましたッ!!!

れん様、本当にありがとうございました(^-^)v

拍手

【2011/08/06 21:38 】 | Text | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
世界が滅びるとき。
PCの拍手御礼画面




拍手

【2011/07/23 23:59 】 | Text | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
Love song of the devil
一周年御礼




拍手

【2011/07/23 23:55 】 | Text | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
<<前ページ | ホーム | 次ページ>>